2006/10/08-立教大学戦

日時 10月 8日 13:30 Kick Off

場所 アミノバイタルフィールド

◯東京大学 41―21 立教大学●

1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
東京大 7 14 13 7 41
立教大 0 0 7 14 21

Game Report

明大・慶大・日体大と上位校に三連敗中の東大。
前節の日体大戦で惜敗したとは云え、強豪相手にオプションとパワープレーの 強力ランニングアタックで獲得ヤードを大きく上回る等、攻撃力は急上昇中。一方守備面も個々には課題はあるものの、キャリアーへの闘志溢れる集散の良い全員ディフェンスで、試合毎に着実に成長中。
対する立教大は筑波大・一橋大・関院大と下位校に三連敗中と不振が続くが、 昨年の躍進(3勝3敗)の立役者である好QB馬道を擁し、シーズン当初は TD誌でも慶大に続いてブロック2位の評価を得ていた実力チーム。1999リーグ戦(34-7で東大の勝利)以来実に7年ぶりの対戦となったが、 崖っぷちに立たされた両チームにとって、未だ見ぬ初勝利に向けた大事な一戦であることは勿論、特に東大にとっては2002シーズン第2戦の山梨学院大戦の 勝利を最後に一部リーグ公式戦19連敗中という呪縛を4年ぶりに解き放つ ためにも絶対に負けられない試合。
今シーズン一番の強風が吹きすさぶアミノバイタルフィールドで、ウォリアーズの全選手・全スタッフのプライドを賭けた闘いは始まった。

[1Q]コイントスで選択権を得た東大は前半のチョイスを立大に譲り、立大は リターンを選択。キッカー#21神戸(4年)の風上からのキックは良く伸びタッチバックとなるが オフサイドの反則により、立大は自陣25ydから攻撃開始。
3人のRBを配しQBは浅めにセットした独特のショットガン体型からの3回のランにゲインを許さず、4th-5でパントに追い込む。東大1stシリーズは自陣44ydと絶好のポジションから開始。1stプレーでTB#32吉田(3年)がオプションピッチで20yd近くゲインし、 幸先良いスタートを切ったかに見えたがOLのホールディングにより罰退。次プレーは殆ど進まず迎えた2nd-9で、前節50yd以上走り絶好調のFB #39瀬戸(4年)がダイブで中央を突き、力強いセカンドエフォートでFD獲得。この試合のキープレーとなるFB#39瀬戸のダイブで波に乗った東大は、I体型 から徹底的にラン攻撃を繰り返し、QB#8長尾(3年)の16ydオプションキープ・ FB#39瀬戸の17ydダイブで敵陣13ydまで進み、最後はQB#8長尾が オプションキープを走り切り、先制のTD。(7プレー/56ydのドライブ) キッカー#21神戸(4年)のPATも決まり7-0。(5:09)
風上からの東大キックは再びタッチバックとなり、立大2ndシリーズは自陣 20ydから開始。 東大守備は2回連続で3thダウンに追い込む等健闘するも、中央・オープン・オプション等のランとパスを交えた多彩な立大攻撃にテンポ良く3回FDを許し、東大陣42ydまで攻め込まれる。1stダウンでQB#13馬道のランで8ydを走られ、いやなムードとなった が、ILB#52菅(4年)のナイスタックルで3ydロスを強い、QB#13馬道のオプションキープにも2ydしかゲインを許さず、4th-3に追い込む。早く同点に追いつきたい立大は迷わずギャンブルを選択するもパス失敗で、東大は見事にピンチを切り抜ける。
自陣35ydからの東大2ndシリーズはFB#39瀬戸の12ydダイブ・T B#4 白山(3年)の3yd中央ランでハーフラインまで進み、1Q終了。

[2Q] ハーフラインで迎えた2nd-7で、オプションキープにより中央突破したQB#8 長尾は、あっという間に50ydを走り切り、そのまま独走TD。 (3プレー/65ydのドライブ) キッカー#21神戸のPATも決まり14-0。(0:11)
風下からのキックオフとなるためゴロキックで対応するも好リターンを許し、 立大3rdシリーズは東大陣42ydと絶好のポジションから開始。 OLB#3鬼頭(4年)のパスディフレクト等東大守備は良く守り、4th-2に 追い込むが、2TD差を追う立大は当然ギャンブル選択し、中央ランで辛くも FD獲得。更にミドル・ショートパスを連続して決められ、東大陣17ydで再度FDを与えてしまい、QB#13馬道のオプションキープ・ショートパスで3th-2とピンチ を招くが、 ここで立大はスナップミスを犯し、4th-10。最後のフェイクパスは失敗となり、東大は前半最初のピンチを何とか切り抜ける。
”ピンチの後にチャンスあり”、自陣17ydから開始した東大3rdシリーズは またもや見事なTDドライブを演出。 1stプレーのTB#32吉田の20ydオプションピッチが、ホールディングの反則で フイになった後の1st-20で、FB#39瀬戸の27ydダイブが飛び出し自 陣 34ydでFD獲得。TB#32吉田のオプションピッチは5ydロスとなったが、またもやFB#39 瀬戸の 39ydダイブで敵陣32ydまで進み、最後はQB#8長尾が左オプションキープから右へ大きく旋回し、そのまま独走してエンドゾーンへ。(5プレー/83ydのドライブ)キッカー#21神戸のPATも決まり21-0。(7:11)
ゴロキックの東大KOキックを自陣47ydまで返され、立大は3TD差を追って前半最後の攻撃開始。1stプレーのミドルパス成功で東大陣34ydでFDを与えてしまうが、立大の2回の反則もあり何とか2nd-24まで追い込む。更に、ブリッツに入ったILB#52菅が見事なQBサックをしたかに見えたが、 無情にもフェイスガードの反則(5yd)を取られ、2nd-19。 ミドルパスで3rd-8まで前進された後、スクリーンパスを決められ、東大陣 20ydで再度FD。(残り1:00)
更に2回のショートパスとダイブでゴール前9ydでFDを獲得されるが、DL陣の激しいパスラッシュで3th-12まで追い込み、最後は立大がオプションピッチ ミスを犯し、東大LB#43高見(2年)が見事にリカバー。 ピンチを凌いだ東大が1プレー行ったところで前半終了。

[3Q] 風上からの立大キックオフにより後半開始。 自陣20ydから始まった東大の1stシリーズは、QB#8長尾のオプション キープで 一気に敵陣46ydまで進んだ後、FB#39瀬戸がダイブで中央突破し、ゴール前14ydまで進む。1stダウンでこの試合初めてのピッチミスにより、あわやファンブルリカバーさ れた かと思われたが、フォワードパス失敗のホイッスルで事なきを得、続く2nd-10でTB#32吉田が力強く中央を突破し、ゴール前3ydでFD獲得。 最後はQB#8長尾がオプションキープでオープンを駆け抜け、東大は後半開始早々貴重な追加点。(6プレー/80ydのドライブ) キッカー#21神戸のPATは惜しくも外れ、27-0。(2:15)
東大オフサイドの反則で蹴り直しとなった立大KORを大きく返され、立大1st シリーズは東大陣46ydから開始。 2回のパスを失敗させ3rd-10となるが、立大はQB#13馬道の決め打ち スクランブルで東大陣34ydでFD獲得。ランプレーとショートパスでゴール前14ydまで進まれた後、QB#13馬道か ら WR#28渡辺のTDパスが決まり、立大にこの試合初めてのTDを許す。 PATも決まり27-7。(4:33)
風上からの立大ロングキックをリターナー#32吉田が好リターンし、自陣27y d から始まる東大2ndシリーズ。 TB#32吉田の12yd中央ランの後、この試合のキーマンであるFB#39瀬 戸が OL3人の好リードブロックにも助けられ、怒涛の31ydダイブを見事に炸裂させ、 あっという間に敵陣30ydまで攻め込む。 TB#4白山のドロー・QB#8長尾のオプションキープで3rd-shortと した後、TB#4白山のオプションピッチでゴール前16ydまで進み、FB#39瀬戸の 15yd 渾身ダイブでゴール前1yd。 最後は本シリーズの立役者FB#39瀬戸が自ら中央を突き、更には立大LBを アオテンさせTD。(8プレー/73ydのドライブ) キッカー#21神戸のPATも決まり34-7。(8:39)
続く立大2ndシリーズも自陣45ydと好位置から開始。 ランプレーで1回FDを与え東大陣42ydまで進まれたが、SF#27三浦(4 年)と CB#21神戸の見事な連携でオプションピッチをノーゲインに止める等、東大守 備は 踏ん張り、4th-6に追い込む。 ギャンブルに出た立大パスはレシーバーの頭上大きく外れサイドラインを割り、 ピンチを凌いだと思った瞬間、グランドには東大パスインターフェアのイエロー フラッグ。

[4Q] 微妙な判定であったが、これで息を吹き返した立大は東大陣35ydからの再攻撃でフェイクパス・QBキープ・東大反則(5ydフェイスマスク)でゴール 前14yd まで進み、最後はQB#13馬道からWR#10佐藤へのフェイクパスが決まり、2本目のTD。PATも決まり34-14。(1:00)
残り時間での逆転を狙った立大はオンサイドキックを試みるも、東大が無事キャッチ。自陣36ydからの東大3rdシリーズは、TB#32吉田の8yd中央ランの後、またもやFB#39瀬戸が怒涛の27ydダイブで一気に敵陣29ydまで進む。 これまで全ての攻撃シリーズをTDに結びつけてきた東大であったが、TB#32 吉田のドローはSFブリッツで大きく5ydロスし、QB#8長尾のキープもロスタックルを喰らう等、4th-8に追い込まれ、FGトライを選択。キッカー#21神戸の44ydFGはコントロール良く、バー中央上空に弧を描い たが、ギリギリで距離が足りず、無情にもバーに直接当たり失敗。 自陣27ydからの立大3rdシリーズでは、時折ランを効果的に交えながらパスを次々とテンポ良く決められ、5回のFDでゴール前9ydまで攻め込まれ、最後は QB #13馬道からWR#7上野へのパスにより、この日3本目のTDを許す。 PATも決まり34-21。(残り時間4:30)
立大は再度オンサイドキックを狙うが、東大がフェアキャッチで事なきを得る。 突き放したい東大であったが、自陣37ydからの本シリーズでは逆転を狙う立大 の 執念の守備の前にFDを獲得できず、この試合初めてのパント。 パンター#97生川(3年)のパントは風にも乗って55ydのロングパントとなり、 そのままゴールラインを割ってタッチバック。(残り時間2:21)
自陣20ydからの立大攻撃の1stプレーでQB#13馬道にスクランブルで7 yd ゲインを許し、2nd-3となり、立大はスクリーンパスで一気にロングゲインを 狙って きたが、SF#18君島(3年)のナイスタックル・CB#2刀田(3年)のナイ スアシストで 4ydロスに仕留め、続く2回のパスも失敗させ、東大は攻撃権奪取。 (残り時間1:25)
ゴール前23ydからの東大の攻撃シリーズではQB#12日出間(4年)を起 用。 TB#4白山のパワープレーによりゴール前11ydでFDを獲得した後、2回の ランは 立大守備の前にノーゲイン・3ydロスを余儀なくされ、迎えた3th-13。 厳しいパスラッシュの中、ショットガン体型からQB#12日出間がこの試合初め て 投じたパスは見事にエンドゾーン内でWR#19森田(2年)の両手に収まり、東 大は ダメ押しのTD。キッカー#21神戸のPATも決まり42-21。(残り時間24秒)
バックアップQBとして試合中何時でもスタンバイOKな状態にしている4年生QB#12日出間が、1回のパスに見事に蓄えた実力を発揮した印象深い好プレーであった。 最後まで勝利への執念が尽きない立大はパス・QBラン・東大インターフェアの反 則 で自陣20ydから東大陣35ydまで攻め込み、最後は30ydパスが決まってゴール前5ydに来たところで、タイムアップ。

東大は、パス守備で36回中23回成功される等次試合以降に向けた課題を残した が、 日体大戦で見せた怒涛のランニングアタックは真の実力であることを証明し、悲願の今シーズン初勝利を圧勝で飾ると共に、チームに完全に勢いが戻ってきた。 同時に過去4年間の一部リーグ公式戦19連敗にようやく終止符を打つことができ、 強豪ウォリアーズの復活・再生を告げるメモリアルな瞬間であった。
11回のランで159ydを走ったアスリートQB#8長尾の走力は勿論のこと、FBとして12回・210ydと驚異的なランを見せた大型FB#39瀬戸の重く速い突進 力、強力な グランドアタックを支えるOL陣のパワー溢れるブロック・スピード溢れコンビ ネーションの良いリードブロックに、応援席の誰もが残り3試合の連勝を確信したことであろう。

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