2012/9/1-一橋大学戦
日時 9月1日 17:20 Kick Off
場所 アミノバイタルフィールド
◯東京大学 38 ― 17 一橋大学●
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | TOTAL | |
東京大 | 0 | 21 | 14 | 3 | 38 |
一橋大 | 3 | 0 | 7 | 7 | 17 |
Game Report
いよいよ2012年ウォリアーズの開幕戦。
2006の1部復帰以来、年々着実にチーム力はアップし、2年連続の4勝3敗勝ち越しを経て、昨年は5勝2敗/堂々3位の好成績を収めたウォリアーズ。
春シーズンの悔しさ・不甲斐なさをバネに夏の厳しい練習・合宿を乗り越えて、一回りも二回りも逞しく大きく成長してきた2012戦士達。彼らの全てを賭けた熱き戦いが雨上がりの聖地アミノバイタルで今年も始まった。
【1Q】東大#18赤澤(4年)のキックオフで試合開始。一橋大1stシリーズは自陣32ydから。
オプションピッチをLB#44倉鍵(4年)が3ydに仕留め、パワーIからのダイブで5ydゲイン。3rd-2のオプションピッチは残念ながらギリギリFD/自陣42ydへ。更に9ydオプションピッチ、QBキープでFD献上/東大陣46ydへ。
続くオプションピッチでも10ydゲインされ、東大陣36ydへと一橋大の侵攻を許す。オプションピッチミスで2nd-20となり、オプションキープも5ydに留めて3rd-15とするも、ヒッチパスから12ydゲインされて4th-3。ギャンブル選択した一橋大は大型QBのキープでFD獲得/ゴール前25ydへ。更に2回連続のQBキープでゴール前12ydへ。
徹底したボールコントロールでロースコア勝負に持ち込もうとする一橋大ランニングアタックを止められない東大ディフェンス陣。何とかここで踏ん張って欲しい。
パワプレーを2yd、オプションピッチを4yd、QBキープも3ydと粘りのディフェンスで食い止め、4ht-1/ゴール前3yd。一橋大はギャンブルを狙わずに実に手堅くFGトライ。FG成功で0-3と先制を許すも、16プレー/10分のロングドライブにTDを与えず、FGに留めた東大ディフェンス陣お見事!(9:52)
#32藤田(3年)の好キックオフリターンにより、東大1stシリーズは自陣40ydから開始。
ここから、東大自慢のハイパーオフェンスが狼煙をあげる。先発QBは今夏大きく成長した#16山田一樹(3年)。まずはQBキープで好走して2nd-インチ。更に、モーションしてきたWR#7今井(4年)がジェットスイープで見事なオープンラン。抜群のクイックネスと加速力で敵陣33ydまで一気に前進。
【2Q】2回のランで4ydしかゲインできず3rd-6となるも、QB#16山田がQBキープで快走。オープンブロックも見事に決まり、ゴール前7ydへ。
さあ、絶好のTDチャンス。1stプレーで頼れる主将RB#33大津(4年)がパワープレーでエンドゾーンへ。相手に的を絞らせない多彩なナイスドライブで嬉しいTD。#18赤澤が落ち着いてTFPを成功させ、7-3と逆転。(0:42)
続くキックオフではアスリート#2高橋(4年)が闘志溢れるタックルでリターナーを仕留め、一橋大2ndシリーズは自陣27ydから。
パワーIからのダイブはノーゲイン、続くオプションフェイクパスは激しいラッシュをしたDL#63鈴木(3年)と#92青木(4年)が見事にQBサック。更にショットガンからのパスを試みるも、好パスカバーのためにターゲットを見つけられず失敗。オフェンス陣の頑張りを目の当たりにして息を吹き返したディフェンス陣。見事に4th-11/123パントに仕留める好ディフェンス。
もう一歩でパントブロックとなる#19久世(4年)のラッシュもあり、一橋大パントは十分に陣地挽回できず、東大2ndシリーズは自陣43ydから。
さあ、好位置からの攻撃権を連続TDに繋げたい。まずはプレーアクションパスの構えからレシーバーがカバーされていると見るや、QB#16山田が好判断でスクランブルに切り替え、敵陣42ydまで好走。2回の中央ランでゲインできず3rd-8となるも、WR#19久世にパスをヒット。一気にゴール前24ydへ。
さあ絶好の得点チャンス!
1stプレーはプレーアクションパスのコール。QB#16山田からエンドゾーンでフリーになったWR#19久世に見事なTDパスがヒット。 4年生OL#69竹森、#75川添、#77山田雄飛率いるOL陣の献身的で完璧なパスプロ、ブリッツにも動じず冷静な判断でコントロール良いパスを投じたQB#16山田、抜群の集中力と長身を活かした信頼度NO.1の副将WR#19久世。観客を唸らせる東大パスオフェンスを支える役者達の見事なコラボであった。#18赤澤のTFPも難なく成功して、14-3。(5:09)
勝利のためにはモメンタムがある間に、一気に畳み掛けたい。そのためにも、次のディフェンスでしっかり止めて、オフェンスでもう1本TDを奪いたい。キックオフカバーが若干綻び一瞬ヒヤッとするも何とかタックル。一橋大3rdシリーズは自陣31ydから。
昨年の一橋大戦でも悩まされた大型QBのパワフルなラン。タックルが決まらず2nd・3rdエフォートで密集を抜けると、体勢を立て直して独走。 何とかタックルするもゴール前18ydまでの前進を許してしまう。 しかし、直ぐに気持ちを切り替えて冷静に対応できるこの日の東大ディフェンス陣。
まずは、3年生ながらLBパート長を務める#45春木の見事なQBサックで3ydロス。ショットガンからのパスは好パスラッシュ・好パスカバーの前に投げ捨て。3rd-13に追い込んだ後のパスも激しいラッシュで失敗させて4th-13/FGトライ。FGは飛距離が足りずに失敗。
ピンチを脱した東大3rdシリーズは自陣21ydから。
イリーガルシフトの反則で5yd罰退して1st-15となるも、QB#16山田が投じたブーツレッグパスをキャッチしたWR#7今井が12ydゲイン。2nd-3とした後のプレーでRB#33大津がブラストで好走、自陣41ydへ。
3rd-1となるも、FB・TB両方起用可能なタフなRB#4長谷川(4年)が粘りの中央ラン。力強い2ndエフォートでFD獲得/敵陣44ydへ。更に、WR#7今井がジェットスイープで快足を飛ばしてゴール前28ydへ。残り時間2分、FGではなく絶対にTDを取っておきたい。
WR#7今井のリバースを仕掛けるも、疲労のために反応できず結果的にスクリーメージに残っていた一橋大フロント陣の前に8ydロス。更にフォルススタートで5yd罰退、2nd-23。フェイクパス失敗で3rd-23。 更に一橋大のブリッツ大当たりで一直線の激しいQBサックを食らってしまい、大きく後退・・・。と思ったところにイエローフラッグ。一橋大のパーソナルファウル(ラフィング・ザ・パッサー)により、15yd前進して自動的にFD獲得。
嫌な流れになりかけたところでのラッキーなFDにより、残り時間1分強でゴール前26yd。アイソレーションでボールをハンドオフされたRB#33大津。ベストOLのLT#69竹森のナイスブロックで空いた大穴を抜け、ゴール前8ydまで好走。
1stプレーはQB#16山田からホットラインのWR#19久世へのパスプレー。普通ならQBサックとなる激しいラッシュを仕掛ける一橋大ラッシャー。しかも矢継ぎ早に襲う2人のタックルを90kg超の頑強な体躯で外して、全く動じることなく冷静にWR#19久世へのTDパスをヒット。恐ろしい程のクールさを持った大黒柱QB#16山田一樹の真骨頂であった。この日全てのTFPを決めた#18赤澤のTFPも成功し、前半残り50秒で21-3。
次のキックオフは#18赤澤のロングキックとナイスカバーだったが、フェイスマスクの反則により15yd罰退、一橋大4thシリーズは自陣39ydから。
キープレーのQBキープはDL#63鈴木の好タックルでノーゲイン。この試合、2回のロスタックルと1回のQBサックを演じたOL兼任のDL#63鈴木。TEから転向後間もないが、俊敏性とフィジカルの強さを兼備した本格派DL。今後のウォリアーズディフェンスの要の一人となる可能性を感じさせるプレーであった。続くランフェイクのヒッチパスも失敗し、最後はQBがニーダウンして前半終了。
【3Q】一橋大キックオフで後半開始。
キックがサイドランを割ったので、東大はキック地点から+30ydの攻撃開始を選択。1stシリーズは自陣35ydから。
2nd-10でコールされたRB#33大津のアイソレーション。WR#80上宮(3年)が相手DBに完璧なオープンブロックを浴びせ続け、最後はアオテン。WR#上宮のファインプレーとRB#33大津の走力のコンビネーションで見事な29ydラン。一気に敵陣36ydへ。
更にQB#16山田がオプションキープで独走、長躯36ydのTDラン。パワフルさと速さを兼ね備えランナーとしても一流であることを示した見事なプレーであった。#18赤澤のTFPも成功で、後半開始早々28-3。(1:29)
続くキックオフでは、#19久世がリターンチームの壁を破壊し、#87柳澤翔平(3年)がナイスタックル。一橋大1stシリーズは自陣25ydから。
QBキープはDL#92青木が好タックルで僅か1ydゲインに仕留め、モーションしてきたWRへのベアピッチはLB#45春木が素早い上がりを魅せてロスタックル。3rd-11と追い込んだ後のプレーでは、基本に忠実な好選手DL#99岩城(3年)が胸のすくような鮮やかなQBサックで11ydロス。見事に4th-22/123パントに仕留めて攻守交代。
#25相澤(4年)のパントブロック寸前の好ラッシュにより、東大2ndシリーズは敵陣47ydから。
RB#33大津の4ydランの後、ノーバック体型からQB#16山田が襲い掛かる相手ラッシャーを巧みに躱してWR#19久世へ見事な15ydパスをヒット。更にRB#32藤田がアイソレーションからオープンをまくって5ydの好走。これでゴール前27yd、2nd-5。
このチャンスにRB#33大津がパワーオフタックルでゴール前4ydまで一気に快走。WR#19久世とWR#7今井の献身的なブロックが光る好プレーであった。さあ絶好の追加点のチャンス。一度中央をついて1ydゲイン、2nd-3とした後、QB#16山田がオプションキープで楽々TD。この日5本目の#18赤澤のTFPも成功で、35-3。(6:51)
続くキックオフでは東大はオンサイドキックを試行。残念ながら相手のヘルメットに当たり、弾んだボールがそのままサイドライン外へ出たため失敗。一橋大2ndシリーズは東大陣39ydから。
ここから一橋大大型QBが執拗に自らのランを繰り返す。ショットガンからの4回連続のQBランで、7yd・4yd・11yd・12ydを奪い、一気にゴール前5ydへ。次のプレーはI体型のTBの位置にセットし自らのオフタックルランで1yd。次も同じプレーだったが、ヒット力が魅力の新星LB#47清水陽大(2年)が2ydロスタックル。3rd-5では再度QBの位置にセットしQBキープするも、東大DL陣は一歩も引かず僅か1yd。 4th-4ではQBオープンでTDを許してしまうも、見応えあるゴール前の攻防と、敵ながら天晴の人間魚雷的な8回連続の大型QBのランであった。これで35-10。(3Q残り18秒)
東大3rdシリーズは自陣30ydから。
QBは#14佐藤雅仁(3年)に交代。まずはFB#23初谷(2年)のダイブで3ydゲイン。
【4Q】次いで、ノーバック体型からWR#89中村(3年)へ見事な14ydジャストパス成功。まさに針の穴を通すような絶妙のコントロールで観客席大いにどよめくナイスプレー。
3rd-9となるも、QB#14佐藤自らハンドオフフェイクからのQBキープで好走を魅せ、敵陣40ydへ。走って投げれる好QB#14佐藤がひたむきに地道に努力して蓄えた実力の片鱗を感じさせるプレーであった。 この後は残念ながら、LBブリッツによるQBサックで10ydロス、中央ランは3ydロス、更にもう1回QBサックを食らって4th-19。東大はこの試合初めてのパントにより攻守交代。
#18赤澤のパントは見事なコントロールパントとなり、一橋大3rdシリーズは自陣10ydから。フェイクパス成功でFD献上/自陣26ydへ前進された後の2プレー目。WRのジェットスイープで独走TDを許してしまい、35-17。(5:21)
追加点を狙う一橋大のキックオフは当然オンサイドキック。#4長谷川が確実にボールを押さえ、東大4thシリーズは敵陣41ydから。
1stプレーのパスは相手DLにディフレクトされ、FB#23初谷の6ydダイブで3rd-4となるも、ドローフェイクパス失敗で4th-4/123パント。
#18赤澤は今回も落ち着いて見事なコントロールパントを蹴り、一橋大4thシリーズは自陣9ydから。
2回のFDを許して自陣31ydまで進まれ、9ydQBランで2nd-1とされるも、2回連続でパス失敗/4th-1。一橋大はギャンブルではなくパント。
#25相澤の好ラッシュでパントの飛距離は伸びず、東大最後の攻撃は自陣47ydから。
残り時間3分強、何とかQB#14佐藤に得点シリーズを演出して欲しい。まずは、ランフェイクからラッシャーの頭越しにRB#23初谷にパスを通し、RB#23初谷は敵陣40ydまで好走。
続くプレーでは、RB#35北岡(2年)のデビュープレー。ブラストからオープンへ抜け、快足を活かしてゴール前24ydまで嬉しい16ydラン。
更に、QB#14佐藤からWR#10佐藤賢一(4年)へ、どんぴしゃりの9ydパスがヒット。QB#14佐藤の堂々たるパスと、WR#10佐藤のナイスカムバックが光る好プレー。これで2nd-1/ゴール前15yd。
ノーバック体型からQB#14佐藤が投じたTDパスがWR#15高木勇海(4年)へ見事にヒット。観客席誰もが大歓声を上げるも、無情にもグランドにはイエローフラッグ。あってはならない不用意なホールディングの反則でTDは取り消し、10yd罰退。
その後、ドローは1yd、パスはカバーきつく投げ捨てとなり、4th-10/ゴール前24yd。東大は今試合初めてのFGトライ。春はスナッパー・ホルダー・キッカーのコンビネーション悪く、またラッシャーを十分に食い止めることができないこともあり、FG成功率が極めて低かった東大。しかも、今回のFGトライは41ydと距離的にはかなり難しい場面。
しかし、来る日も来る日も起死回生を胸に秘めて黙々とキックを蹴り続けてきた#18赤澤。
平常心で無心に蹴ったボールは見事に美しい弧を描いて2本のバーの間をすり抜ける。この瞬間、41ydFG成功、QB#14佐藤の初めての得点ドライブ完結。本当に嬉しい嬉しい3点により、38-17。(残り時間1:12)
#18赤澤のキックオフは飛距離が伸びに伸び、直接エンドゾーンへ入り、一橋大リターナーはリターンを諦めてタッチバック。それにしても、見事なのは今試合の#18赤澤のパフォーマンス。TFP、キックオフ、パント、FG全てにパーフェクト。2012ウォリアーズをキッキング面で支える大きな武器になると信じている。
自陣25ydからの一橋大最後の攻撃。ロングパスはDB#87柳澤翔平が好カバーでパスカット。ヒッチパスはLB#45春木がキャッチした瞬間にロスタックル。最後のパントは#25相澤が激しいラッシュでチップ。最後の最後まで気合の入ったプレーを魅せたウォリアーズが38-17で快勝。
こうして攻守蹴それぞれに持てる力を発揮して嬉しい初戦勝利を果たしたウォリアーズ。
次試合は9月9日立教大戦。今試合のように、一人一人が自信を持って自分と仲間を信じて平常心で戦うことができれば、自ずと結果はついてくる。
常に謙虚な姿勢で向上心を持って日々の練習に励むことでもっともっと良いチームになって欲しいし、2012戦士達なら必ずそれができると信じている。