2006/12/9-東海大学 1部2部入替戦

日時 12月 9日 13:30 Kick Off

場所 アミノバイタルフィールド

◯東京大学 9― 6 東海大学●

1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
東京大 0 0 0 9 9
東海大 3 3 0 0 6

Game Report

今年の集大成・ラストゲームのつもりで臨んだ関東戦で多くの凡ミスにより自滅し、よもやの敗戦を喫して入替戦出場となった東大。敗戦のショックから立ち直り、「本当のファイナルゲーム」に勝利すべく、3週間猛練習を積んできた。
対する東海大は、1981年の現行ブロック制以降、昨年まで連続して1部に所属し、2003年には関東準優勝を果たした実力チーム。今年は2部で6勝1敗の2位となり、昨年の東大同様に1年での1部復帰を目指し、この試合に照準を合わせてきている。
東大は、初めて関東準決勝に出場するかと思われた1995年の雨中の最終戦で東海大に苦杯をなめさせられ、逆に翌年は見事にリベンジして初のプレーオフ出場を果たし、以後も「因縁の対戦」として特別な思いで死闘を演じてきた。朝から冷たい雨が降りしきる12月のアミノバイタルフィールド。奇しくも2年前の12月12日に16年ぶりの2部降格を余儀なくされた時と同じ場所・同じ時期・同じ天候。しかし、今年は新生ウォリアーズが意地とプライドの全てを賭けて「因縁の相手」の1部昇格の夢を打ち砕く。

[1Q]東海大のキックオフにより試合開始。
風下からのキックは伸びず、リターナーがキャッチできずにもたつく間に、東海大カバーチームがリカバー。試合開始早々、東大にとってあってはならない凡ミスにより、東海大は東大陣29ydという絶好のポジションで攻撃権獲得。ベーシックなランプレーを繰り返す東海大に2回FDを与え、ゴール前5ydまで攻め込まれるが、東大守備陣が良く踏ん張り3回のランにゲインを許さず4ht-4に追い込む。東海大は無理をせずにFGトライ。難なく成功し、0-3。(4:59)
#4白山(3年)が自陣36ydまでリターンし、東大の最初の攻撃開始。QB#8長尾(3年)の29ydオプションキープで1回FDを獲得し、敵陣33ydまで攻め込むが、TB#33前田(4年)・TB#白山(3年)・QB#8長尾のランは3回連続でロス。4th-17となり、あえなくパント。パンター#8長尾からTE#87岩崎(3年)へのスペシャルパスが成功したかに見えたが、東大ラインのホールディングの反則により、結局攻守交替。
自陣27ydからの東海大攻撃に1回FDを与えるも、その後はしっかりと止め、4th-5でパントに追い込む。ここで東海大は、パンターがそのまま走るという意表を突いたスペシャルプレーを試みたが、東大守備陣はあわてずにタックルし、東大は敵陣40ydという絶好のポジションで攻撃権獲得。

[2Q]しかし、3回連続のランはFD獲得に至らず、4th-2でパント。自陣10ydからの東海大攻撃に1回FDを与え自陣25ydまで進まれるが、その後はNG#90小関(4年)のナイスタックルもあり、ゲインを許さず4th-10に追い込む。風上からの東海大パントは予想以上に良く伸び、東大リターナーの頭上を越されそうになり、背走しながら手を伸ばすも痛恨のファンブル。殺到してきた東海大カバーチームにリカバーを許し、東大陣10ydで再度攻撃権を与えてしまう。
2回のランに6ydの前進を許し、3thでゴール前4ydと絶体絶命のピンチとなるが、ILB#52菅(4年)がスイープを見事5ydロスに仕留め、4th-9とし、東海大はFGトライ。FGは成功し、0-6。(残り時間6:49)
#4白山の好リターンで自陣38ydで東大は攻撃開始。FB#23末宗(3年)のダイブ・TB#33前田のランで3th-inchとなるが、オプションピッチミス(東大リカバー)で結局パント。(残り時間2:51)
これまで実質的なゲインは殆ど許していなかった東大守備陣だが、自陣21ydからの東海大攻撃に2プレーで東大陣42ydまで前進され、何とか4th-3に追い込むも、東海大にギャンブル成功を許し、東大陣30ydでFDを与えてしまう。(残り時間30秒)
中央のランを2ydゲインに押さえ、東海大が初めて投じたパスは失敗。残り時間10秒・3ht-8で東海大はFGトライするも、このFGは失敗し、東大は致命的な失点を水際で食い止めて前半終了。

[3Q]自陣35ydから始まった東海大攻撃の2プレー目は、ロングゲインを狙ったフリーフリッカー。しかし、東大守備はしっかりとレシーバーをカバーしていたDB#17高橋(3年)が見事に値千金のインターセプト。
自陣34ydで攻撃権を獲得した東大は、FB#23末宗のダイブ・QB#8長尾のキープ等で2回のFDを獲得し、敵陣30ydまで前進。4th-4のピンチもQB#8長尾からTE#80三品(3年)へのオプションフェイクパスが見事に決まり、ゴール前15ydまで攻め込む。しかし、2回のランは3ydしか前進できず、更にスナップミス(東大リカバー)もあり、4th-10。ショットガン体型からのパスも東海大DBにカットされ、絶好の同点・逆転の好機を逸してしまう。
いやな雰囲気となったが、東大守備陣が奮起し、東海大にFDを与えず、1-2-3パント。自陣44ydから再開した東大攻撃は、TE#80三品への15ydパスで敵陣40ydでFD獲得。QB#8長尾のスクランブル・オプションキープ、TB#4白山のオプションピッチで8ydしか前進できず、4th-2。しかし、このピンチにエースTB#33前田がオプションピッチで22yd快走し、ゴール前10ydまで前進。

[4Q]1プレー目にQB#8長尾がオプションキープで10yd走り切り、東大は待ちに待った同点TD。逆転を狙ったキッカー#21神戸(4年)のPATは失敗し、6-6。(0:07)
自陣29ydからの東海大攻撃。後半FDを与えていなかった東大守備陣だが、東海大ランプレーの前に小気味良くFDを3回与え、僅か5プレーで東大陣23ydまで攻め込まれる。更に9yd前進され2nd-1となるが、NG#90小関のロスタックルもあり4th-2に追い込み、ギャンブルも阻止したかに見えたが、ギリギリでFD。
残り時間約7分、ゴール前12ydで東海大FDという絶対絶命のピンチ。2回のランで3th-4とされたが、東大守備陣が良く踏ん張りノーゲイン。4th-4かと思われたが、ここで東海大にデッドボールファウル。タックルされた選手が東大選手を蹴るラフプレーで、15yd罰退・ダウン喪失。東大にとってはラッキーな4th-19の局面で、東海大はFG体型からパスを投じるスペシャルプレーに出たが、あえなく失敗。
残り時間5分半で自陣22ydから逆転を狙った東大攻撃開始。ホールディングの反則で2nd-19と苦しくなったが、この試合の立役者TE#80三品がパスを好捕して31ydゲインし、自陣44ydへ。更に、2nd-9でTE#80三品がパスキャッチ後見事な好走を演じ、一気に敵陣30ydへ前進。(残り時間3:15)
QB#8長尾の2回のランは殆ど進まず3rd-9となったが、FB#23末宗のランで7yd前進し、4th-2。(残り時間1:33)
QB#8長尾のキープによりギリギリでFD獲得し、ゴール前20yd。更に2nd-8でQB#8長尾が根性の7ydキープを果たし、残り時間6秒でゴール前11yd/3rd-1。
勝ち越しを狙った東大は当然FGトライ。関東戦で2回FG失敗し、この日もPATを失敗しているキッカー#21神戸。極度の緊張の中で蹴ったボールは、これまでの失敗を帳消しにするように見事な弧を描いてバー中央に吸い込まれ、残り時間2秒で9-6の劇的な勝ち越し。最後のキックオフをきちんと止めて試合終了としたいところだったが、距離が出過ぎて東海大リターンチームにしっかりと体制を作られて東大陣30ydまでリターンされてしまい、あわや再逆転のTDかというところを何とかサイドラインに押し出したところでゲームセット。

関東戦同様にイージーミスが続出し、最後の最後まで勝利の女神がどちらに微笑むかわからない苦しい試合だった。しかし、1部残留への執念を持ち続けて最後まで勝利を諦めずに戦い、見事な見事な劇的勝利で雨中の死闘に終止符を打った。新生ウォリアーズが最初の試練を乗り越えた瞬間であり、創部50周年となる来年の上位進出・近い将来の甲子園ボール出場を心から祈る。

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